設立したNPO法人。今後の運営運用のために何が一番大切になるでしょうか?
その答えはズバリ、資金調達です。
資金繰りが成立しないNPO法人に未来はありません。仮に立ち上げ時に潤沢な資金があったとしても、継続的な収入がない限り運営は必ず行き詰まります。
どんなに高い理想を掲げても運営資金がなくては立ち行かないので、まずは継続的に資金を調達することを考えましょう。
NPO法人の主な資金源
それでは運営資金源としてどんなものが考えられるのでしょうか。
以下にいくつか挙げてみましょう。
それぞれの資金源にはメリットとデメリットが存在します。
ひとつの資金源に頼ることなく、複数の収入源から安定した収入を得ることがNPO法人運営の重要なポイントになってきます。
(1)会費収入
メンバーから継続的に支払われるもので、安定した収入源となり得ます。
NPOの規模にもよりますが、これがメインの収入源となるNPO法人もあるでしょう。
(2)寄付金収入
場合によっては高額の寄付金を得られることもありますが、寄付金はあくまでも臨時収入です。
これを期待して運営するようなことは避けねばなりません。
(3)クラウドファウンディング
これは会費と寄付金の間のような資金調達方法です。
近年インターネット上で広がりを見せている、不特定多数の人から資金を募る方法です。
成功の例もあるかたわら、NPOの運営方針や趣旨に賛同が得られない場合には大失敗に終わることもあります。
(4)補助金、助成金
国や市町村からの補助金や助成金については、受けられることになればとてもありがたいものです。
安定して支払われますし、継続も期待できます。
しかし、考えることはみんな同じです。近年ではNPOの数も増え、受給を期待する法人も多くなっています。
そのため審査が年々厳しくなっており、受給できる確率は高くありません。
補助金・助成金のみをあてにしてNPOを立ち上げることは、安定した運営を目指すならば避けた方がいいでしょう。
(5)事業収入
事業収入は、NPO法人としてもっとも高額の収入を得られる可能性がある資金調達方法です。
一般の企業と同じように事業を運営し、それを成功させることです。
「NPOが事業なんてやっていいの?」と思われるかもしれませんが、もちろん資金調達のための事業は問題ありません。
ただし当然失敗することもありますし、生半可な気持ちで手を出すことはできません。
以上のように、NPO法人の資金の調達にはさまざまな方法があります。
それぞれの方法のメリットとデメリットをよく理解して、適切な資金の調達方法を考える必要があるでしょう。
また「何のために資金を使うのか」「いくら使うのか」「いつ使うのか」をきちんと考えることもNPO法人の運営を考える上でとても重要です。