NPO法人を設立する上で重要になる書類の一つに定款というものがあります。
定款とは、法人の目的や内部組織
・活動内容などに関する根本規則を定まる文書です。
質の高い定款を作成するためには、株式や会社法に関する知識がある程度必要になります。
今回は定款の概要と、定款に記載する必要のある「絶対的記載事項」についてお伝えします。
そもそも定款とは
冒頭で述べた通り、定款とは会社の規則を書いたものです。
会社の憲法とも呼ばれ、法人を設立する手順で最初に取り組むべき作業になっています。
NPO法人の場合は社会貢献活動を行うこと、原則として誰でも社員になれる仕組みが必要です。
定款に記載する内容
定款に記載する内容には「絶対的記載事項」と呼ばれるものがあります。
絶対的記載事項は、定款を作成する上で必要になり、記載がない場合は定款全体が無効になります。
以下に絶対的記載事項に該当する項目をまとめました。
・目的
法人の事業目的を記載する欄です。
法人が社会にもたらす効果や最終目標などを具体的に記載していきます。
ただし、あまり専門用語を並べることは避けた方が良いでしょう。
・法人の名称
法人の名称を定める際には特に法的な制限はありません。
ただし、自治体の政府機関と誤認する可能性がある名称は、用いることができません。
また登記上名称に使用することができない文字や記号があるので注意が必要になります。
・特定非営利活動の種類、特定非営利活動に係る事業の種類
活動の種類については、NPO法に記載されている事業の種類から該当するものを1つ以上選び、法の表記どおりに記載します。
・事務所の所在地
住居表示の通りに町名地番まで記載します。
活動の中心とする場所を「主たる事務所」として、その他に事務所がある場合も所在地を記載します。
社員の資格の得喪に関する事項
会員の種類や入会・退会・除名などに関する情報を記載します。
主に以下の項目が必要になります。
●会員の種類・名称
●入会条件
●入会金・会費
●会員の資格の得喪
●退会
●除名の条件
役員に関する事項
役員の選出をはじめ、人気や職務などについて記載する必要があります。
主に以下の項目を記載します。
●役員(理事3名以上・監事1名以上)を記載します。
●選任の方法
●職務
●任期(2年以内)
●解任の条件
●報酬
会議に関する事項
総会、臨時総会、理事会といった会議の種類を記載します。
資産に関する事項
資産の内訳や管理について記載します。
事業年度
会社の経営成績や財務状態を表す決算書の時期のことです。
会議で定めた事業年度を記載します。
その他の事業を行う場合には、その種類その他当該その他の事業に関する事項
法人の主な目的以外の事業を行う際には、その他事業とし、事業の種類についても記載する。
・解散に関する事項
法人がどのような場合の時に解散するかといった事由と、解散時に残った資産の帰属に関して記載します。
・定款の変更に関する事項
将来に定款の内容を変更する時に行う手続きについて記載します。
・公告の方法
「公告」は、政府や公共団体が法人の解散・合併といった情報を一般的に知らせることです。
法人の場合、主に官報に掲載するか電子公告のどちらかを選ぶことになります。
以上が定款の絶対的記載事項です。
他にも相対的記載事項や任意的記載事項というものがあります。
そちらも審査に通るためには重要ですが、記載しないと無効になるのは絶対的記載事項だけです。
定款の作成に臨まれる際は、今回の記事を参考にしてください。
しかし、あらためて本業以外の知識を習得する時間が無いという方は、行政書士のような専門家に書類作成を依頼されても良いかもしれません。